宝物



 だんだん、暑くなってきましたが、みなさんお元気ですか?

 REEママのブログを読ませていただいて、みんな同じ思いで、子育てしてるんだな〜って思います。 辛いのも一緒、親バカなのも一緒。ハンディのある子を育てていますが、こんな素敵な出来事があったので・・・。

 私、はっきり言って 親バカです。 そして、過保護です。 それも、これも生まれた時から、手のかかる子だったからです。

 学年のお友達には、空間認知障害のある事、運動能力の低い事、学力の低い事は、伝えてありますが、WSという、はっきりした学名は伝えていません。 でも、ずっとずっと、いろんな方のお世話になりながら、ここまで成長してきました。 学校でも、個別の指導を受けるべきか、みんなと一緒に指導を受けようか、随分悩んだ時期もありました。 そんな時、いつも小学校の先生も、学校のお友達も、温かくぱやちゃんに接してくれていました。 入学当初より、とっても良い子達の、この学年。 人数も少ないので、クラスが違っても学年全体が、とっても仲良しなんです。 それを、改めて認識した出来事がありました。

 それは、5月の中旬に学校から、『日清食品カップ・京都府予選大会』の申込書を持って帰って来ました。 「私、幅跳びに出場するし!」と、ぱやちゃん。 要項を読んで、びっくり! 「これは、あんたが出場できるような、大会じゃないから、あかんわ〜。やめとき。」と、私。 ぱやちゃんは、それで納得していました。

 数日後、私は、小学校の下校指導当番で、横断歩道に黄色い旗を持って、立っていました。 元気に5年生の男の子数人が、帰ってきたので、

「おかえり〜♪」と、言うと
「おばちゃん、なんでぱやちゃん日清カップ出ぇへんの?」
「え?あれは、ぱやちゃんが出るような大会やないやろう? だから、おばちゃんが、やめときって言うてん。」
「何言ってんの!あれは、誰が出ても良いねんで〜。出場する事に意義があるのに、おばちゃんがそんな事言うなんて、あかんわ。出したり〜な。」って。
 私は、ぐぐぅっとなりました。 階段も満足に降りられないような、ぱやちゃんなのに・・・。 みんなから、疎まれる事無く、仲間だと思ってもらってるんや。
「ありがとう!そうなんや、知らんかったし、やめさしたけど、ぱやちゃんも出ていいの?」
「まだ、間に合うし、帰ったらすぐに、先生に電話し〜や。」
「うん!そうするわ。ありがとう!」と、別れた。

 言われたように、帰宅後すぐに担任の先生に連絡をしたら、 「私も、今日連絡しようと思っていたんです。きっと、お母さんも、ぱやちゃんが出場するような大会では、無いと判断されたのだと思っていましたので。」とおっしゃいました。 そして、「今日お友達に、こんな風に言ってもらって、とっても嬉しかったんです。出場させてください。」と、お願いしました。

25日日曜日が大会の日でした。 朝、張り切って、多くのお友達と出発しました。生憎の雨の中でしたが、無事に出場する事ができました。 私は、他に用事があったので見に行けませんでしたが、 父親が行ってやってくれました。 お友達から、「ぱやちゃ〜ん!がんばれ〜!」の声援に、 嬉しそうに手を振っていたようです。

 結果は・・・・。 残念ながら、失格。 踏み切り板を越えたからです。 でも、いいんです。 お友達に声援してもらって、自分もお友達を声援して。

 メダルよりも大きな宝物をぱやちゃんは、もらいました。 あの時、男の子達に会わなかったら、大会出場はありませんでした。 そして、後押しして、放課後に指導してくださった先生方にも感謝です。

とっても元気に帰って来ました。 結果は残念でしたが、とても楽しかったようです。 出場時の、ゼッケンは宝物として、残しておきます。

(2006年6月)



目次に戻る