ぺーちゃんバンド



千葉県館山市にある中核地域生活支援センター「ひだまり」が発行している「ひだまりニュース 第36回:平成19年12月15日発行」に掲載された手記です。ぺーちゃんバンドに関するお問い合わせは、「ひだまり:電話=04-7098-2900、FAX=04-7092-3050、E-mail=hidamari@i-hidamari.com」までお願いします。

(2008年5月)

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『ぺーちゃんバンド』のご紹介

今年の11月「身体障害者療護施設しあわせの里夢フェスタ」が行われました。

たくさんの方がボランティアで参加してくださり、歌や演奏で会場を盛り上げてくださいました。

中でも久田洋平さんのハーモニカとオカリナ演奏は、とても素晴らしく、ハーモニカとオカリナの音色がとてもきれいで、聴いていた方々が感動していました。特にオカリナの「千の風になって」の演奏では、涙を浮かべて聴いていた方もいらっしゃいました。しあわせの里のご利用者様もご家族様も職員の方も「優しい音色に癒されました」「本当に感激しました。ありがとうございました。」と絶賛していました。

洋平さんのお母様に、「どのようなきっかけで演奏活動をするようになったのですか?」とおうかがいしたところ、「ぺーちゃんバンド」結成の感動秘話を寄稿してくださいましたので、掲載します。


ぺーちゃんバンド

久田 敏子さん

私は、館山市の老人保健施設で介護福祉士として働いています。息子洋平は20歳で現在、中里ワークホームの『和麺屋 中里』でいきいきと働いています。

息子は、障害を持っています。しかし、音楽の面だけはリズム感がいいという特徴がありました。

5年前、息子を一番理解してくれた主人が事故で他界しました。主人が亡くなる一週間前、家族3人でキャンプに行き、その帰り道で新しいギターを買い、当時はやっていた平井堅さんの「大きな古時計」を聴きながら、車中で「家族3人でバンドを作ろう。名前はぺーちゃんバンドにしよう」と約束しました。約束をはたせず主人は亡くなってしまいましたが、その後息子はヤマハでオカリナを習い、私はレクリエーションインストラクターの資格をとりました。

ふっとひらめき、いつか息子とぺーちゃんバンドを作り、いろいろな施設をボランティアめぐりをして活動するのを生きがいにして、2人の夢にしようと3年前息子と心に決めました。

世の中には人に言えない悲しみを抱えた人は沢山います。人の心を少しだけでも音楽やレクリエーションによって励ましたり、感動してもらえたらと思っています。息子はしみじみと「ぺーちゃんバンドはお父さんが残してくれた家族3人の宝物だ」と言っています。

私は、フォークギター・歌・レクリエーション。息子はオカリナ・ハーモニカで「ふるさと」「千の風になって」などいろいろな曲を演奏します。また、環境や健康をテーマにした事についても多くの人に伝えていきたいと思っています。

今後ともたよりない2人組ですがぺーちゃんバンドをよろしくお願いします。



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