ウィリアムズ症候群とプラダー・ウィーリ症候群の子ども達:ジグソー・パズル課題取り組みに対する両親の間接的な影響
資料番号2-X-04と同じ著者が関連するトピックスについて記述しています。
(2005年11月)
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Children with Prader-Willi syndrome vs. Williams syndrome: indirect effects on parents during a jigsaw puzzle task.
Ly TM, Hodapp RM.
Graduate School of Education & Information Studies, University of California, Los Angeles, CA, USA.
J Intellect Disabil Res. 2005 Dec;49(Pt 12):929-39.
背景に関する概要:
遺伝子病によって患者は特徴的な行動を取りやすい傾向があり、その傾向がさらに他人に影響を与えて別の特定の行動を引き出すことにつながる。プラダー・ウィーリ症候群の長所でありウィリアムズ症候群の弱点でもある視空間課題の一種であるジグソー・パズルにおいて、わが子のパズルの完成能力や症候群診断のレベルが親の行動に影響を与える可能性がある。
方法:
こども達は2種類のジグソー・パズル(一つは実験者といっしょに、他方は両親と一緒に)をそれぞれ5分間で完成させるように指示される。ジグソー・パズル課題に取り組む子どもへの親のかかわり方を調査する目的で両親が与える指示にレイティングするとともに、両親が援助や支援を与える頻度を調べた。それぞれ病原学的に異なるグループにおいて、両親の行動とこどもの特性との関連も調べた。
結果:
プラダー・ウィーリ症候群の子どもの両親に比べて、ウィリアムズ症候群のほうは、こどもとのやり取りにおいてより指導的なスタイルをとり、より多くの援助や支援を与える傾向があった。両症候群ともに、ジグソー・パズルの能力が高い子どもの両親に比べて、能力の低い子どもの両親はこれと同じパターンを示す。両親が与える援助や支援的行動を予測するには、病原学な違いとジグソー・パズルの能力の両方が重要である。プラダー・ウィーリ症候群のグループにおいては、両親の行動はこどものパズル能力と全般的な認知能力に対して負の相関を持っているが、ウィリアムズ症候群のグループではそのような相関は見られなかった。
結論:
両親の行動はこどもの診断とジグソー・パズルの実能力に影響を受ける。この結果は、別の遺伝子病の子どもと両親に対して、理解と治療(介入)を行う祭に重要な含意を示唆している。
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