希少な小児神経疾患を持つ子供の母親における心理社会的負担の認識
Perception of psychosocial burden in mothers of children with rare pediatric neurological diseases.
Walkowiak D(1), Domaradzki J(2).
Author information:
(1)Department of Organization and Management in Health Care, Poznan University of Medical Sciences, Przybyszewskiego 39, Poznan, 60-356, Poland. dariuszwalkowiak@ump.edu.pl.
(2)Department of Social Sciences and Humanities, Poznan University of Medical Sciences, Poznan, Poland.
Sci Rep. 2025 Feb 21;15(1):6295. doi: 10.1038/s41598-025-87251-w.
希少な小児神経疾患の子どもを育てることは、親の生活の質と介護者の負担に深刻な影響を及す。母親が主な介護者になる傾向があるため、この研究では、22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、ドラベ症候群、ウィリアムズ症候群の4つの小児神経疾患の母親のこれまで調査がなされていない経験に焦点を当てた。302人の母親を対象とした横断的調査では、小児神経疾患の子どもの世話はすべての母親の幸福とストレスに深刻な影響を与える一方で、診断経験、生活の質、介護者の負担には症状によって大きな違いがあることが明らかになった。ドラベ症候群およびアンジェルマン症候群の母親は、最新の遺伝子検査および心理的サポートへのアクセスと援助の提供を受けることが困難であると報告した。ドラベ症候群とウィリアムズ症候群の母親は、診断の遅れが子供の不必要な入院や投薬に与える影響を懸念していた。22q11.2欠失症候群の母親は、他の人よりもサポートされていると感じていた。ドラベ症候群およびアンジェルマン症候群の母親は、介護の負担が大きく生活の質が低下したと報告したが、ウィリアムズ症候群の母親は、すべての生活の質の領域で負担が有意に低くスコアが高いと報告した。母親の経済的幸福度、雇用状況、早期診断は、母親の経験に大きな影響を与えた。これらの知見は、早期診断と経済的・心理的支援に重点を置き、小児神経疾患の母親個々に合わせた支援の必要性を強調している。
(2025年2月)
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