ウィリアムズ症候群高齢患者の臨床特徴



Clinical features of a senior patient with Williams syndrome

中地 愛、 川目 裕、永井 知代子、岩田 誠
信州大学医学部内科学教室
臨床神経学 2001 Sep;41(9):592-8

手の震えの精査目的に入院した62歳の女性の症例を報告する。FISH法で検査を行いウィリアムズ症候群と診断された。低身長・特徴的な顔貌・中程度の精神遅滞が認められ、話好きで社交性がある。視空間認知構成失認・小脳失認・手に振戦様不随意運動を認めた。MRIでは脳に顕著な異常は見られなかった。脳のMRA検査で、頭蓋底動脈の伸張や両側頚動脈の拡張など動脈硬化性変化が明らかになった。患者の染色体7q11.23に見られる微小半接合欠失はウィリアムズ症候群に典型的なもので、エラスチン(ELN)とKIMK 1遺伝子が含まれている。糖尿病と高脂血症を合併しているが、大動脈弁上狭窄などの循環器系の異常は認められず、健康なまま長期生存している。振戦様不随意運動は退院後に消失し、そのメカニズムは不明のままである。

(2002年4月)



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