香港に住む中国人集団におけるウィリアムズ症候群:回顧的研究
Williams-Beuren syndrome in the Hong Kong Chinese population: retrospective study.
Yau EK, Lo IF, Lam ST.
Department of Paediatrics and Adolescent Medicine, Princess Margaret Hospital,
2-10 Princess Margaret Hospital Road, Laichikok, Hong Kong.
Hong Kong Med J. 2004 Feb;10(1):22-27.
目的:香港に住む中国人集団におけるウィリアムズ症候群の発生頻度を推定し、臨床的特徴を記録する。
設計:
設定:
患者:
主要な測定成果:1995年1月1日から2002年6月30日までの間に、41人のウィリアムズ症候群患者に対して第7染色対の長腕に微小欠失が発生していることをFISH検査で確認して確定診断を行った。患者の記録に関する調査を行い、この地域における集団の発生率を推定し、主な臨床的特徴を決定した。
結果:この地域におけるウィリアムズ症候群の発生率は最も低く見積もった場合、およそ23,500回の出産(死産は除く)に一人の割合になる。顔面の異形については、眼窩周囲の肥厚(83%)・厚い唇(80%)・長い人中(51%)・平坦な鼻梁(41%)・歯牙の異常(37%)が共通している。星状虹彩は誰にもみられなかった。患者の大部分(82%)はこれまで報告されている循環器系の症状のうち少なくともひとつを持っている。これらの患者では、肺動脈末端狭窄が61%、大動脈弁上狭窄が45%に認められた。被験者グループのほぼ全員(93%)に発達遅滞を呈している。
結論:西洋と同様、香港に住む中国人集団におけるウィリアムズ症候群は頭蓋顔面異形・循環器系異常・精神疾患を呈する。西洋の国のウィリアムズ症候群では最も共通的にみられる大動脈弁上狭窄は、この地域においては肺動脈末端狭窄より頻度が少ない。肺動脈末端狭窄を含めてこの差が有意かどうかを確認することが必要である。
【訳者注】
上記論文の全文はPDF形式で公開されています。アドレスを下記に示します。
(2004年2月)
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