染色体異常疾患は成人期にどのように変化するのか、どのように診ていくのか
下記紹介記事は、「成人となった小児心疾患」「T.病態」の一項目として紹介されています。記事の最後に「日本Williams症候群の会」の連絡先が掲載されていました。
(2004年6月)
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城尾 邦隆
九州厚生年金病院小児科
小児科診療 第66巻7号(2003.7) 1111-1118ページ
要旨:
外科治療の進歩による心疾患の生命予後改善は、染色体異常症についても例外ではない。心疾患合併が多いDown症候群や染色体微小欠失症候群(22q11.2欠失症候群、Williams症候群)で、成人期に発生する医学的問題への対応が求められている。各症候群に特徴的な心血管病変、身体所見、精神症状を解説した。そして遺伝相談、情報収集、支援のありかたにも言及した。
略
3.Williams症候群
2人の循環器医Williams(1961年)とBeuren(1962年)が特異な臨床像を報告、1993年にEwartらが7q11.23の微小欠失を証明した。約1.5Mb、14遺伝子を含む隣接遺伝子症候群で、主要症状は遺伝子ELNとLIMK1の量的減少効果(ハプロ不全)である。小妖精顔貌elfin face(100%)、大動脈弁上部狭窄SASに特徴的な心血管病変(80%)、精神発達遅滞(75%)、高カルシウム血症(15%)である。まれな遺伝性疾患と思われてきたが、簡単確実なFISH法の普及により診断が容易となり、今では1/10,000〜20,000人と推定されている。ほとんどは散発性に発生するが、欠失は50%の確率で遺伝する。
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