Williams症候群



  1.6歳女児の症例が写真つきで紹介されている。

(2004年6月)

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橋本武夫(聖マリア病院母子総合医療センター)
Neonatal Care 2002 Vol.15 No.5(ページ368-369)
【ネオネイタルケア(2002年5月号)】

 1961年にWilliamsらが大動脈弁上部狭窄(supravalvular aortic stenosis、SAS)に小妖精顔貌(elfin face)と知能低下の3つの症状を呈する4症例を報告したことから、Williams症候群、あるいはelfin facies syndromeと呼ばれる。

 その後、Black&Bonham Carterらは、その顔貌が乳児高カルシウム血症の顔貌と類似する点に注目し、種々の検索から本症を乳児高Ca血症(infantile hypercalcemia syndrome)の重症例、あるいはその結果による後遺症であると提唱した。しかし、本症に実際に高Ca血症を示した報告は少なく、顔貌や知能が正常でSASを有するもの、あるいは特有の顔貌を呈してもSAS以外の心奇形もかなりみられることから、その原因は未解決であった。

 現在、その原因は、7番染色体q11.23の部分のモノソミーによる複数の遺伝子決失によることが認められた。本症候群の母体から生まれる子どもは50%の確率で本症候群であることから、常染色体優性遺伝形式をとる。しかし、ほとんどは、孤発例で、染色体部分欠失は突然変異による。

 発生頻度は、2万人に1人という報告もある。性差はない。



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