Williams症候群患者における先天性奇形



Congenital malformation in patients with Williams syndrome(WS)

長谷川 知子、Saito A、河野 澄男、Usuda K、芳賀 信彦、Kato K、Kaji M、青木 克彦、Lo C.Y.、愛波 秀男、Hamazaki M
静岡県立こども病院、遺伝染色体科、循環器科、外科、泌尿器科、整形外科、歯科、内分泌代謝科、放射線科、神経科、臨床病理科
Congenital Anomalies 42巻3号 2002年 Page256-257

ウィリアムズ症候群患者48人(年齢4歳〜34歳、男性29人、女性19人)の奇形について報告する。彼らは1977年以降に静岡県立こども病院で臨床的診断を受け、経過観察を受けている。23人はFISH検査で確定診断されている。女児1人がびまん性肺動脈狭窄を原因とする心停止で死亡し、男児1人はウィリアムズ症候群とは無関係の急性脳症で死亡した。?身体的な子宮内胎児発育遅延が24人に見られ、その中には一卵性双生児の女児2人との二卵性双生児の男児1人を含む。出生後の成長は成長曲線の平均値を下回るが、成長増進が通常よりも早い次期に始まる傾向がある。4人が思春期早発症の治療を受けた。頭囲は平均以下であるが、小頭症(-2SD以下)と判断されたのは16人だけである。

奇形

(1) 循環器:36人に大動脈弁上狭窄(SAS)(男児23人、女児13人、12人は他の循環器系疾患を併発している)が見られたが、後に8人は自然治癒した。最終的に15人(31%)には循環器系疾患はない。手術を受けたのは5人(男児3人、女児2人)であった。
(2) 視覚:近視、遠視及び乱視(52%);斜視(26%);星状虹彩はみられない。
(3) 歯科:欠損歯(24%)と矮小歯(22%);不正咬合(15%);虫歯はしばしば見つかる。
(3) 骨と関節:外反母趾(ほぼ全員);過剰肋骨(79%);尾骨奇形(21%);橈骨奇形(16%)
(4) 腹部:そけいヘルニア(80%);脱肛(9%)
(5) 泌尿生殖器:停留睾丸(28%);器質的にも内分泌的にも問題がないが心因性影響による頻尿と緊急性尿意(ほぼ全員)
(6) その他:口蓋裂(4%);異常な石灰化(4%)

(2006年11月)



目次に戻る