ウィリアムズ症候群:学際的アプローチ



Williams-Beuren syndrome: A multidisciplinary approach.

Lacroix A, Pezet M, Capel A, Bonnet D, Hennequin M, Jacob MP, Bricca G, Couet D, Faury G, Bernicot J, Gilbert-Dussardier B.
Laboratoire langage, memoire et developpement cognitif, CNRS, UMR 6215, 99, avenue du Recteur-Pineau, 86000 Poitiers, France.
Arch Pediatr. 2008 Dec 17. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群(OMIM# 194050)は、発生頻度が低い、大部分は孤発性の遺伝子疾患であり、28個の遺伝子を含む7q11.23部位の染色体微小欠失が原因である。これらには動脈性細胞外基質の重要な要素をコードするエラスチン遺伝子が含まれている。発達障害には、異型顔貌・循環器系異常(最も多いのは大動脈弁上狭窄症と肺動脈窄症)・独特の神経心理学的プロフィールが含まれる。このプロフィールは中程度精神遅滞・比較的維持された言語能力・視空間障害・超社会性から構成される。これ以外のあまり知られていない希な症状として、新生児高カルシウム血症・乳児期の栄養問題・眼科的異常・甲状腺機能低下症・成長障害・関節障害・歯科異常・青年期や成人の高血圧などが治療の対象になる。この論文の目的は以下のようなウィリアムズ症候群の重要なポイントを要約する。

  1. 欠失に含まれる様々な遺伝子とその機能、特にエラスチンと最近報告されたウィリアムズ症候群の部分的欠失の状態、及びウィリアムズ症候群とは反対に7q11.23遺伝子座の微小重複によって生じる症候群に関する報告
  2. 循環器系損傷に焦点をあてた子どもや成人の臨床的特徴
  3. 特徴・脳の構造・学習などの状態を通じてみえてくるウィリアムズ症候群患者の特異的な神経心理学的プロフィール

    (2008年12月)



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