ウィリアムズ症候群における発達と認知の問題



Developmental and cognitive troubles in Williams syndrome.

Martens M.
Department of Psychology, Ohio State University, Newark, OH, USA. Electronic address: martens.22@osu.edu.
Handb Clin Neurol. 2013;111:291-3. doi: 10.1016/B978-0-444-52891-9.00033-6.

ウィリアムズ症候群は神経発達遺伝子病であり、有病率はおよそ7500人に一人である。7番染色体からエラスチン対立遺伝子を含む約28個の遺伝子(7q11.23)が半接合欠失をおこすことが原因である。ウィリアムズ症候群の患者は、逆さまつげ(Medial eyebrow flare)、内眼角贅皮、上向きの鼻、長い人中、厚い唇などの顔貌特徴がある。乳児期には便秘と疝痛を経験することが典型的である。循環器や腎臓に異常があり、同時に高血圧を伴うことが多い。ウィリアムズ症候群の患者は聴覚や視覚に障害があるリスクが高い。胃腸系の障害も共通してみられ、便秘や憩室症が含まれる。ウィリアムズ症候群の子どもと成人の両方で関節の異常がみられる。ウィリアムズ症候群患者は過度に友好的であるが、非社会的不安を訴えることもある。認知機能は軽度から中程度の範囲で遅滞することが典型的である。比較的すぐれている機能は、言語や顔認識のいくつかの分野でみられるが、視空間機能は顕著に遅れている。

(2013年5月)



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