ウィリアムズ症候群における成長、体組成、内分泌に関する問題
Growth, body composition, and endocrine issues in Williams syndrome.
Stanley TL(1)(2), Leong A(2), Pober BR(3).
Author information:
(1)Pediatric Endocrine Division, Department of Pediatrics.
(2)Endocrine Division, Department of Medicine.
(3)Genetics Division, Department of Pediatrics, Massachusetts General Hospital for Children and Harvard Medical School, Boston, Massachusetts, USA.
Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2020 Nov 6. doi: 10.1097/MED.0000000000000588. Online ahead of print.
レビューの目的:
ウィリアムズ症候群は染色体7q領域の微小欠失を原因とする多臓器疾患である。乳児・幼児・成人の期間を通じてウィリアムズ症候群患者は体組成や複数の内分泌軸において異常が発生する可能性がある。本レビューはウィリアムズ症候群における成長、体組成、内分泌に関する最新の文献情報を記載し、合わせて内分泌専門医、遺伝医、家庭医による調査や治療管理に関する推奨を述べる。
最新情報:
良く知られている身長、カルシウム代謝、甲状腺機能に関する異常に加えて、ウィリアムズ症候群患者は骨密度の低下、体脂肪の増加、筋肉量の減少などが知られるようになってきた。さらに、最近の論文によれば、糖尿病と肥満が青年期から始まること、またそれほど多くないものの脂肪性浮腫表現型が男性患者・女性患者を問わずに見られることが報告されている。 ウィリアムズ症候群欠失領域に存在するどの遺伝子のハプロ不全がウィリアムズ症候群の多臓器表現型に貢献しているかというメカニズムの解明が進んでいる。
まとめ:
成長、体組成、内分泌軸における複数の異常がウィリアムズ症候群患者における症状として現れる可能性がある。ウィリアムズ症候群患者は、家庭医の範疇あるいは内分泌専門医や遺伝医のどちらかでこれらの問題に対する定期的な検査を受けるべきである。
(2020年11月)
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