ウイリアムス症候群:52人の患者における表現型の多様性と7番、11番、22番染色体の欠失

Williams-Beuren syndrome: phenotypic variability and deletions of chromosomes 7, 11, and 22 in a series of 52 patients.

Joyce CA; Zorich B; Pike SJ; Barber JC; Dennis NR
Genetics Laboratory, Salisbury District Hospital, UK.
J Med Genet (ENGLAND) Dec 1996, 33 (12) p986-92, ISSN 0022-2593
Journal Code: J1F Languages: ENGLISH
Document type: JOURNAL ARTICLE



典型的なウイリアムス症候群の患者、ウイリアムス症候群(WBS)の疑いがある患者、大動 脈弁上狭窄(SVAS)の患者52人に対して、FISH法と従来法による染色体分析を行った。 典型的な WBS の患者群では、23人中22人(96%)に7番染色体のエラスチン遺伝 子座に顕微鏡では観察できない微小な欠失が見つかった。しかし残る一人は、11番染色 体の途中に特殊な欠失(del(11)(q13.5q14.2))があった。WBS の疑いがある患者では、22 人中2人(9%)の患者にエラスチン遺伝子の欠失が見られたが、3分の1の患者からは 長腕が欠失したリング状22番染色体(r(22)(p11-->q13))を含む複雑な核型が見られた。 SVAS グループでは、7人中1人(14%)からエラスチン遺伝子の欠失が見つかったが、 発達は正常で WBS の兆候は少ししかなかった。

結論として、エラスチン遺伝子の微小欠失を持つ患者の中には、他の細胞生成異常を持 つ患者に比べて WBS の兆候が少ない者もいることが判明した。この結果は、従来方法と 分子細胞学的調査を組み合わせて診断する事の重要性を示している。また、エラスチン遺 伝子座を含む7番染色体の微小欠失がどの程度の範囲に及ぶかということが、ウイリアム ス症候群に見られる表現型の多様性を説明できる可能性があることを示している。

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