染色体構造調節因子複合体病としての Williams 症候群



最新医学
62巻10号 通巻781号(2007年10月)2310-2316ページ、最新医学社
加藤茂明**、藤木亮次*、北川浩史*
* 東京大学分子細胞生物学研究所/科学技術振興機構 ERATO
** 同教授

染色体上での転写制御は、染色体構造調節を伴うことが明らかになりつつある。ビタミンDはカルシウム代謝調節主要因子であり,皮膚などの特異的標的細胞の増殖分化を制御することが、核内ビタミンD受容体(VDR)欠損マウスやヒト家族性くる病U型で確かめられている。我々は、VDR機能を担う核内複合体群を同定する過程で、優性の先天性疾患であるWilliams症候群の責任遺伝子と考えられてきたWSTFを含む複合体を見いだした。この複合体は染色体構造調節因子複合体であったことから、この疾患は染色体構造調節因子複合体病の初めての例と思われる。本稿では、この複合体の機能とWSTFの機能を概観する。

(2007年10月)



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