いくつかの遺伝子病の原因となる生殖細胞系列における新規欠失と重複の発生率
Germline rates of de novo meiotic deletions and duplications causing several genomic disorders.
Turner DJ, Miretti M, Rajan D, Fiegler H,Carter NP, Blayney ML, Beck S, Hurles ME
Wellcome Trust Sanger Institute, Wellcome Trust Genome Campus, Cambridge, CB10 1SA, UK.
Nat Genet. 2007 Dec 2 [Epub ahead of print]
一致度が非常に高い配列間に起こる減数分裂時の組換え(非対立形質的相同組換え:nonallelic homologous recombination, NAHR)は、欠失や重複、逆位、転座を引き起こし、「ゲノム病」と呼ばれる遺伝子病の原因でもある。この病気の大部分は遺伝子量に敏感な遺伝子のコピー数が変わることで発生する。NAHRホットスポットが重複配列がある部分で発見されている。我々は精子をベースとした検査法を開発し、4箇所のNAHRホットスポットにおける相反的欠失と重複の新規発生率を計測した。この検査法を用いて、重複配列の異なる対間におけるNAHRの相対発生率を分析した。(i)これらのNAHRホットスポットは減数分裂に特有であり、(ii)男性の生殖細胞系列において欠失は相反する重複より発生頻度が高く、(iii)これらのゲノム病のうちのいくつかは臨床的には未確認である。最も有名なものは7q11領域の重複によるもので、ウィリアムズ症候群の原因となる欠失と相反するものである。
(2007年12月)
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