TFII-I遺伝子で使われている選択的スプライシングとプロモーター



Alternative splicing and promoter use in TFII-I genes.

Makeyev AV, Bayarsaihan D.
Department of Molecular, Cellular and Craniofacial Biology, Birth Defects Center, University of Louisville, Louisville, KY 40202, USA.
Gene. 2008 Dec 9. [Epub ahead of print]

TFII-Iタンパク質は広範に発現する転写因子であり、基礎転写とシグナル伝達の活性化や抑制の両方に関連している。TFII-Iタンパク質は2細胞期には早くも検出され、発生期の胚において特異的で動力学的な発現パターンを示すとともに、大人のマウスの脳においても局所的な変化をみせる。変則的に小さくかつ珍しい7q11.23領域の欠失を分析したところ、TFII-I遺伝子(GTF2IとGTF2IRD1)が、ウィリアムズ症候群における頭蓋顔面や認知機能の異常に対して主要な影響を与える遺伝子候補であることが判明した。TFII-I遺伝子はしばしば選択的スプライシングを行い、様々な活性や特定の生化学的役割を担うイソ型タンパク質を形成する。TFII-I遺伝子のコード領域は30以上のエクソンから構成され、脊椎動物間で同じ形態がよく保存されている。しかし、その5'端の非翻訳領域はそれほど保存されておらず、その特徴も明確ではない。本研究では、TFII-I遺伝子のプロモーター領域を分析し、新規のエクソンについて述べ、これまで報告されているものと、新たな選択的スプライシングの結果で生成されたイソ型タンパク質の両方の臓器特異性について検査を行った。我々が行った包括的な分析はTFII-Iタンパク質の異質性の関する新たな解明につながり、その発現制御経路探索のヒントを提供し、ひょっとするとそれらが有するプロモーター機能の異なるハプロタイプの効果を解明する可能性につながる。

(2008年12月)



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