7q11.23領域微小重複症候群の特徴抽出に貢献した新たな14症例



Fourteen new cases contribute to the characterization of the 7q11.23 microduplication syndrome.

Van der Aa N, Rooms L, Vandeweyer G, van den Ende J, Reyniers E, Fichera M, Romano C, Delle Chiaie B, Mortier G, Menten B, Destree A, Maystadt I, Mannik K, Kurg A, Reimand T, McMullan D, Oley C, Brueton L, Bongers EM, van Bon BW, Pfund R, Jacquemont S, Ferrarini A, Martinet D, Schrander-Stumpel C, Stegmann AP, Frints SG, de Vries BB, Ceulemans B, Kooy RF.
Eur J Med Genet. 2009 Feb 26. [Epub ahead of print]

7q11.23の中間部欠損が、最も特徴的な微小欠失症候群の一例であるウィリアムズ症候群の原因である。それとは相反的な重複に随伴する表現型は、発話が遅れること以外に解明されていない。ウィリアムズ症候群責任領域の相反的重複を有する新たな7q11.23症例を14例提示する。9例は家族性であり、5例は新規である。これらの症例は、特発性精神遅滞がある患者集団に対してアレイMLPAかアレイCGH/オリゴヌクレオチド分析法のどちら 確認された患者であり、集団内の発生頻度は13000人から20000人に一人の割合である。この患者群では一様に様々な発話遅滞がみられ、これまでに報告されている内容と一致している。認知能力は正常から中程度の精神遅滞の範囲にある。患者5人と、患者の父親で重複がある1人が自閉症を併発している。筋緊張低下や、MRI検査では心臓奇形(動脈管開存症)・横隔膜ヘルニア・停留睾丸・非特異的な脳の異常などの先天的異常がみられ、その発生頻度は高い。これらの患者には、短い人中・薄い口唇・直線的な眉など特定の異型症がみられる。我々の患者群が示すところによれば、7q11.23領域の微小重複は発話遅滞だけではなく先天的奇形や特徴的な顔なども併せ持つことが判明した。

(2009年3月)



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