正常な知能指数を有するウィリアムズ症候群患者の7q11.23領域の非典型的欠失



An atypical 7q11.23 deletion in a normal IQ Williams-Beuren syndrome patient.

Ferrero GB, Howald C, Micale L, Biamino E, Augello B, Fusco C, Turturo MG, Forzano S, Reymond A, Merla G.
Department of Pediatrics, University of Torino, Torino, Italy.
Eur J Hum Genet. 2009 Jul 1. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群(WBS; OMIM番号:194050)は多システム神経発達疾患であり、染色体7q11.23領域にある28個の遺伝子が存在する1.55Mbの半接合欠失を起因とする。エラスチン(ELN)遺伝子のハプロ不全は大動脈弁上狭窄や全身性の動脈疾患に責任がある一方で、LIMK1, CLIP2, GTF2IRD1, GTF2Iなどの遺伝子は特定の認知機能や頭蓋顔面の特徴に関連していることが示唆されている。これらの遺伝子型-表原型間の相関に関する洞察は、非典型的な欠失を有する患者やマウスモデルに対する分子分析と臨床分析から得られた。本稿ではウィリアムズ症候群の軽度の身体的表原型があり、知能指数は正常で、通常より短い1Mbの非典型的欠失を有する患者に関する報告である。この組み換えではGTF2IRD1とGTF2I遺伝子は含まれず、BAZ1B遺伝子の一部が含まれていた。この結果は、GTF2IRD1とGTF2I遺伝子は、ウィリアムズ症候群に見られる顔面異型症および特定の運動・認知能力障害に関係しているという仮説と整合している。

(2009年8月)



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