染色体検査でどこまでわかるか:FISH検査でどこまでわかるか



黒澤健司 (神奈川県こども医療セ 遺伝科)
小児内科 Vol.41, No.6, Page842-845 (2009.06.01)

疾患ごとに考えた場合、FISHで診断可能な微細構造異常例はその疾患全体のどれくらいの割合を占めているのか、また、FISHにより診断可能な疾患では、FISH検査で臨床症状をどこまで推測できるか(FISH解析によるgenotype-phenotype相関をどこまでいえるか)、等の疑問が次々と出現するためそれらをまとめた。商業検査センターでの委託からは、Williams症候群、Prader-Willi症候群を含む9症候群の検査は可能とみてよいだろう。また、原因不明の多発奇形精神遅滞例では、サブテロメア領域のFISH検査によるスクリーニングは対象とする集団や方法によりその検出頻度は異なり、2.5-4.6%程度と考えられる。これらの結果から、FISH検査にアレイCGH法が完全に置き換えられることはありえないと考える。

(2009年8月)



目次に戻る