ゼブラフィッシュの遺伝子をノックダウンすることで点頭てんかんや心肥大におけるヒトのYWHAG遺伝子の役割を暗示する
Zebrafish gene knockdowns imply roles for human YWHAG in infantile spasms and cardiomegaly.
Komoike Y, Fujii K, Nishimura A, Hiraki Y, Hayashidani M, Shimojima K, 西澤 勉, Higashi K, Yasukawa K, Saitsu H, Miyake N, Mizuguchi T, Matsumoto N, Osawa M, Kohno Y, Higashinakagawa T, 山本俊至.
国際統合医科学インスティテュート(IREIIMS), 東京女子医科大学
Genesis. 2010 Feb 9. [Epub ahead of print]
ウィリアムズ症候群は神経発達疾患で妖精様顔貌、大動脈弁上狭窄症、特異な認知行動特性、乳児性高カルシウム血症などを呈する。我々は、ウィリアムズ症候群においては非常に稀な点頭てんかんを合併する2名のウィリアムズ症候群患者を診察した。アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(aCGH)とFISH法を使って分析した結果、両患者からは5.7Mbと4.1Mbという非典型的な欠失が見られた。その欠失は、ウィリアムズ症候群責任領域を含み、それぞれ近位側と末端側に広がっている。近位側にはAUTS2 and CALN1があり表現型に影響を与えている可能性がある。末端側にはHIP1とYWHAGという2つの遺伝子候補が存在する。それらの詳細な情報は明らかになっていないため、我々はゼブラフィッシュの遺伝子をノックダウンすることで機能を調査した。ゼブラフィッシュのywhag1をノックダウンしたところ、脳の大きさが小さくなり心臓血管の直径が大きくなることが観察された。これは末端側欠失を有する患者にみられる点頭てんかんや心肥大はYWHAGのハプロ不全から導出されることを示唆している。
(2010年2月)
目次に戻る