ウィリアムズ症候群における知能は、前シナプスSNARE複合体の構成要素をコードするSTX1Aと関連がある
日系BPのホームページに記事が掲載されています。
(2010年4月)
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Intelligence in Williams Syndrome is related to STX1A, which encodes a component of the presynaptic SNARE complex.
Gao MC, Bellugi U, Dai L, Mills DL, Sobel EM, Lange K, Korenberg JR.
Medical Genetics Institute, Cedars-Sinai Medical Center, Los Angeles, California, United States of America.
PLoS One. 2010 Apr 21;5(4):e10292.
遺伝子はヒトの知能を決定する最も重要な要因であるが、どの遺伝子が寄与しているかはわからないままである。この分野の理解をすすめるため、我々はウィリアムズ症候群患者65人からなるコホート集団の知能と遺伝子発現量の関係を調査した。ウィリアムズ症候群は染色体7q11.23領域の1.5Mbの欠失を原因とする神経発達疾患である。STX1A遺伝子の転写物レベルの変動が、標準ウェクスラー成人知能検査改訂版の下位検査の主成分分析で計測したウィリアムズ症候群患者の知能との間で有意な相関がみられた。r=0.40(ボンフェローニ(Bonferroni)補正を行なったピアソン相関、p値=0.007)であり、認知変動の15.6%を説明できる。この結果は、前シナプス小胞放出ニューロン調節因子であるシンタキシン1Aがウィリアムズ症候群において重要な役割を担っていること、そして、ヒトの知能を決定する細胞経路の重要なコンポーネントである可能性がある。
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