遺伝性神経・筋疾患 診断と治療の最前線 アレイCGH法によるデジタル染色体解析の進歩と臨床応用



山本俊至
東京女子医科大学国際統合医科学インスティテュート
脳と発達(0029-0831) 42巻2号 Page138-143 (2010.03)

アレイCGH法により、これまでのG分染法では解析できなかった10-Mb以下の微細な染色体欠失、あるいは重複を検出することが可能となった。22q11.2欠失症候群やWilliams症候群などの奇形症候群は、いずれもG分染法で確認することが難しい2-Mb以下の非常に微細な染色体欠失が原因であるが、これらの微細染色体異常症候群と同様の数Mbの欠失による新規微細染色体異常症候群が次々と報告されている。アレイCGH法は、全ゲノムを網羅的に解析できる革命的なデジタル染色体解析法であり、原因不明の先天異常疾患における微細染色体異常の解析ツールとして臨床応用される時代が到来した。

(2011年5月)



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