読字障害の責任遺伝子の特定:Williams症候群をモデルとして



科学研究費補助金研究成果報告書
機関番号:32612、研究種目:若手研究(B)、研究期間2009〜2010、課題番号:21791005
平成23年6月17日現在
柳橋 達彦
慶應義塾大学医学部

Williams症候群は、心奇形、特融の顔貌、認知機能障害を呈する。7q11.23領域の1.4-1.6Mbのヘミ接合体欠失で生じ、その欠失範囲と認知機能障害の重症度の関係が注目されている。本研究は、Williams症候群患者の欠失範囲をアレイ比較ゲノムハイブリタイゼーション法で解析し、1名の患者の4.2Mbの非典型的欠失を認めた。非典型的欠失例の発達指数は14で他の患者の平均48.8に対し有意に低値であった。4.2Mbの欠失領域には神経修復に関するHSPB1始め、神経発達に関する遺伝子が含まれる。欠失範囲から将来の認識脳障害の重症度を予測できる可能性が示唆された。

(2012年12月)



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