慢性肉芽腫を合併したウィリアムズ症候群の非常に珍しい2症例における機能と遺伝子特徴



Functional and genetic characterization of two extremely rare cases of Williams-Beuren syndrome associated with chronic granulomatous disease.

Stasia MJ, Mollin M, Martel C, Satre V, Coutton C, Amblard F, Vieville G, van Montfrans JM, Boelens JJ, Veenstra-Knol HE, van Leeuwen K, de Boer M, Brion JP, Roos D.
1] Chronic Granulomatous Disease Diagnosis and Research Centre, Therex-TIMC/Imag, UMR CNRS 5525, UJF-Grenoble 1, Grenoble, France [2] Pole Biologie, CHU de Grenoble, Grenoble, France.
Eur J Hum Genet. 2013 Jan 23. doi: 10.1038/ejhg.2012.310. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群は多臓器に兆候が表れる神経発達疾患であり、染色体バンド7q11.23部位における1.55Mb〜1.83Mbの区域異型接合欠失を原因とする。この欠失には、白血球NADPH酸化酵素(病原性微生物への防御に重要)の構成要素であるp47タンパク質(phox)をコードするNCF1遺伝子が含まれている。このことは、機能するNCF1遺伝子を2つ有しているウィリアムズ症候群患者は、機能するNCF1遺伝子が1つしかないウィリアムズ症候群患者に比べて高血圧の発生に影響されやすいという仮説が成り立つ。我々は機能するNCF1遺伝子をまったく有していない、すなわちウィリアムズ症候群欠失で欠損していない方の対立遺伝子上のNCF1が突然変異を発生した非常に珍しいウィリアムズ症候群患者の症例報告を行なう。この2名の患者はウィリアムズ症候群に加えて頻繁に微生物感染症にかかり慢性肉芽腫を合併していた。興味深いことに、患者の1人はまさに高血圧を有しており、循環器系臓器のNADPH酸化酵素以外の要素が高血圧の原因になっていることを示している。

(2013年1月)



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