ウィリアムズ症候群領域のより小さい及び大きい欠失が軽度の顔貌表現型、てんかん、自閉症特徴などに関係する遺伝子を示唆している



Smaller and larger deletions of the Williams Beuren syndrome region implicate genes involved in mild facial phenotype, epilepsy and autistic traits.

Fusco C, Micale L, Augello B, Teresa Pellico M, Menghini D, Alfieri P, Cristina Digilio M, Mandriani B, Carella M, Palumbo O, Vicari S, Merla G.
Medical Genetics Unit, IRCCS Casa Sollievo Della Sofferenza Hospital, San Giovanni Rotondo, Italy.
Eur J Hum Genet. 2013 Jun 12. doi: 10.1038/ejhg.2013.101. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群は染色体7q11.23領域にあり28個の遺伝子にまたがる1.5Mbの半接合欠失を原因とする多臓器疾患である。より小さいおよび大きいウィリアムズ症候群欠失を有する患者が少ないが存在することが報告されている。彼らは孤発性大動脈弁上狭窄症からてんかんや自閉症特徴行動を含むウィリアムズ症候群表現型のすべての範囲までにおよぶ臨床症状の変化をみせる。7q11.23領域における非典型的なウィリアムズ症候群欠失を有する4人の患者を紹介する。2人はテロメア方向に拡張された3.5Mbの大きな欠失を有しており、そこにはHuntingtin-interacting protein1 (HIP1)やチロシン-3-モノオキシゲナーゼ /tryptophan 5-monooxigenase activation protein gamma (YWHAG)遺伝子が含まれる。ほかの2人は1.2Mbの小さな欠失を有し、そこにはセントロメア方向にあるウィリアムズ症候群遺伝子であるBAZ1BとFZD9を含まない。これまでに報告された症例に沿うと、本稿で述べている患者における遺伝子型−表現型相関はHIP1とYWHAGのハプロ不全がてんかんや自閉症特徴などを含む神経学的、神経心理学的な重度の欠陥の原因になっていること、さらにBAZ1BとFZD9が保全されていることで顔貌特徴が軽度であることと神経心理学的特徴が中程度であることと関係している可能性を示唆している。本報告は、7q11.23領域の非典型的欠失を有するもっと多くの患者に対して神経心理学的特徴や臨床症状を比較して、ウィリアムズ症候群領域の内部および隣接域に存在する遺伝子の病原的役割に光を当てることの重要性を明らかにした。

(2013年7月)



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