LIMK1は転写因子CREBを通じて長期記憶とシナプスの可塑性を調節する



LIMK1 regulates long-term memory and synaptic plasticity via the transcriptional factor CREB.

Todorovski Z(1), Asrar S(1), Liu J(1), Saw NM(1), Joshi K(2), Cortez MA(3), Snead OC 3rd(3), Xie W(4), Jia Z(5).
Author information:
(1)Neurosciences & Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Department of Physiology, University of Toronto.
(2)Neurosciences & Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Department of Pharmacology, University of Toronto.
(3)Neurosciences & Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Department of Pediatrics, University of Toronto, 555 University Ave., Toronto, Ontario, Canada M5G 1X8.
(4)The Key Laboratory of Developmental Genes and Human Disease, Ministry of Education, Institute of Life Sciences, Southeast University, 2 Sipailou Road, Nanjing 210096, China.
(5)Neurosciences & Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Department of Physiology, University of Toronto zhengping.jia@sickkids.ca.
Mol Cell Biol. 2015 Feb 2. pii: MCB.01263-14. [Epub ahead of print]

独特の特徴を持つ神経発達疾患であり、視空間認知や長期記憶に重度の障害があるウィリアムズ症候群ではLIMK1遺伝子が欠失している。しかし、LIMK1がこれらの障害に影響を与えているかどうかは未解明のままである。そこで、我々はLIMK1ノックアウトマウス(LIMK1-/-)が長期記憶には大きな障害があるが、短期記憶にはないことを示す。加えて、LIMK1ノックアウトマウスは、長期記憶の形成に特に必要とされる長期に継続するシナプス可塑性を生成する超長期増強が選択的に障害を受けている。さらにLIMK1は、サイクリックAMP応答配列結合タンパク質(CREB、付加的に研究している長期記憶に必須である転写因子)の活性と相互作用があり調節を行う。重要なことは、LIMK1ノックアウトマウスにおける超長期増強や長期増強の障害はサイクリックAMP応答配列結合タンパク質の活性を増加することで改善されることである。これらの結果はLIMK1の欠失だけで長期記憶障害の発生に十分であること、及びこの障害はサイクリックAMP応答配列結合タンパク質の機能不全に起因していることを示す強力な証拠である。我々の研究はマウスにおける遺伝子と表現型の関連を直接指し示しており、成人の脳内のサイクリックAMP応答配列結合タンパク質活性を強化することでウィリアムズ症候群患者の長期記憶を回復できる可能性がある治療の可能性を提供する。

(2015年2月)



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