ヒトの染色体7q11.23遺伝子座に対するマウス相同分子種の構造に関する高分子化合物の物理



A Polymer Physics Investigation of the Architecture of the Murine Orthologue of the 7q11.23 Human Locus.

Chiariello AM(1)(2), Esposito A(1)(2)(3), Annunziatella C(1)(2), Bianco S(1)(2), Fiorillo L(1)(2), Prisco A(4), Nicodemi M(1)(2)(5).
Author information:
(1)Dipartimento di Fisica, Universita di Napoli Federico II, Naples, Italy.
(2)Istituto Nazionale Di Fisica Nucleare Napoli (INFN), Complesso Universitario di Monte Sant'Angelo, Naples, Italy.
(3)Max Delbruck Center for Molecular Medicine in the Helmholtz Association (MDC), Berlin, Germany.
(4)Institute of Genetics and Biophysics, Consiglio Nazionale Delle Ricerche (CNR), Naples, Italy.
(5)Berlin Institute of Health, Berlin, Germany.
Front Neurosci. 2017 Oct 10;11:559. doi: 10.3389/fnins.2017.00559. eCollection 2017.

この10年で、Hi-CやGAMのような新たな技術が発達したことで、哺乳類の細胞内にある染色体が複雑な空間機構を有していること、そして遺伝子と制御因子の間の機能的接触をもたらしていることが発見されている。本研究では、クロマチン構造や折り畳みメカニズムを理解するために、高分子化合物の物理を基礎とした染色体モデリングの最新の進歩状況をレビューする。例として、我々はマウスの胚性幹細胞内でBmp7遺伝子座の完全な三次元構造を導出した。この遺伝子座は造骨細胞の分化において重要な役割を担う。次に、神経科学分野への応用として、ヒトにおけるウィリアムズ症候群7q11.23遺伝子座のマウス相同分子種の三次元モデルを初めて明らかにした。7q11.23領域の欠失や重複は神経発達疾患を引き起こし、多臓器に渡りさまざまな発現があったり、自閉症にもつながる。遺伝子と制御因子間の相互作用を再配置することに対してこのような突然変異が与える影響を理解することで、生体臨床医学の応用の可能性と相まって、関連する疾患を理解することの新しい糸口になる可能性がある。

(2017年11月)



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