ウィリアムズ症候群と7q11.23重複症候群における半数体や三倍体の遺伝子型の確定方法と循環器表現型との関連
A method for determining haploid and triploid genotypes and their association with vascular phenotypes in Williams syndrome and 7q11.23 duplication syndrome.
Gregory MD(1), Kolachana B(2), Yao Y(3), Nash T(4), Dickinson D(4), Eisenberg DP(4), Mervis CB(5), Berman KF(4).
Author information:
(1)Section on Integrative Neuroimaging, Clinical and Translational Neuroscience Branch, National Institute of Mental Health, National Institutes of Health, 10 Center Drive 3C-216, Bethesda, MD, 20892, USA. gregorymd@mail.nih.gov.
(2)Human Brain Collection Core, National Institute of Mental Health, National Institutes of Health, Bethesda, MD, USA.
(3)Statistical Genomics Core, National Institute of Mental Health, National Institutes of Health, Bethesda, MD, USA.
(4)Section on Integrative Neuroimaging, Clinical and Translational Neuroscience Branch, National Institute of Mental Health, National Institutes of Health, 10 Center Drive 3C-216, Bethesda, MD, 20892, USA.
(5)Neurodevelopmental Sciences Laboratory, Department of Psychological & Brain Sciences, University of Louisville, Louisville, KY, USA.
BMC Med Genet. 2018 Apr 4;19(1):53. doi: 10.1186/s12881-018-0563-3.
背景:
ウィリアムズ症候群(WS、7q11.23半接合欠失)と7q11.23重複症候群(Dup7)は対照的な症候型特徴と示す。しかし、それぞれのグループにおいてこれらの表現型の発現の程度にはかなりの個人的なばらつきがある。一般的に利用可能なSNP(一塩基多型)チップデータからコピー数変異が存在する場所を特定するプログラムは存在しているが、これらのプログラムはコピー数変異領域における非二倍体遺伝型に関しては情報を提供しない。ここで我々は、コピー数変異領域において半数体か三倍体かの遺伝子型を確定する方法を述べるとともに、ここで得られた情報で臨床的ばらつきを説明するという概念実証として、遺伝子型−表現型の関連について試用してみる。
手法:
ウィリアムズ症候群患者25人と7q11.23重複症候群患者13人の血液サンプルをIllumina-HumanOmni5M SNP-chipsを用いて遺伝子型解析を行った。PennCNVと自製のプログラムコードを用いて、7q11.23遺伝子座におけるそれぞれの一塩基多型に関する遺伝子型を判定した。さらに、残っている遺伝子(ウィリアムズ症候群では半数体)の遺伝子型か重複した対立遺伝子(7q11.23重複症候群では三倍体)の遺伝子型と大動脈動脈症の存在との関連を調べた。
結果:
7q11.23領域における半数体の確定はウィリアムズ症候群グループにおける一塩基多型の99.0%を確定し、7q11.23重複症候群グループの同領域における三倍体の一塩基多型は98.8%を確定した。エラスチン遺伝子内のSNP rs2528795がアリルGタイプの場合ウィリアムズ症候群患者における大動脈狭窄と関連している(p<0.0049)一方で、同じ一塩基多型におけるアリルAタイプは7q11.23重複症候群患者における大動脈拡張と関連がある。
結論:
一般的に利用可能なSNPチップ情報は、コピー数変異を呈する患者における半数体や三倍体の確定することに利用可能で、我々がここで大動脈動脈症を例として紹介したように特定の遺伝子の変異を症候性表現型と関連付けることができる。本研究は、表現型がもっと複雑だったり、遺伝子メカニズムに関して情報がもっと少ないような場合においても、コピー数変異に関する同様の遺伝子型−表現型分析を実施できる段階を提供している。
(2018年4月)
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