ウィリアムズ症候群患者における遺伝子型−表現型の相関と7q11.23領域の微小欠失や微小重複の相関
Genotype-phenotype correlation and the size of microdeletion or microduplication of 7q11.23 region in patients with Williams-Beuren syndrome.
Ghaffari M(1), Tahmasebi Birgani M(1), Kariminejad R(2), Saberi A(1).
Author information:
(1)Departement of Medical Genetics, School of Medicine, Ahvaz Jundishapur University of Medical Sciences, Ahvaz, Iran.
(2)kariminejad-najmabadi pathology and genetics center, Tehran, Iran.
Ann Hum Genet. 2018 Aug 29. doi: 10.1111/ahg.12278. [Epub ahead of print]
ウィリアムズ症候群は染色体微小欠失症候群であり、大動脈弁上狭窄症・顔の表情特徴・成長遅滞・乳児期の高カルシウム血症等の様々な表現型特徴を有している。本研究は、臨床的な早期診断を受けた10人の患者の微小欠失を、FISH法やアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション法を用いて検出することである。代替手法として、MLPA法(multiplex ligation-dependent probe amplification)が微小欠失を確認するために用いられた。臨床症状を検出した遺伝子型と比較した。欠失の両親からの由来を明らかにするために、4種類の多型マーカー(D7S1870, D7S489, D7S613, and D7S2476)を用いた。欠失が母親由来なのは症例の80%、父親由来が20%だった。早期にウィリアムズ症候群と臨床診断を受けた10人の患者のうち、3人が乳児性低カルシウム血症・正常な知能指数・正常な顔の特徴等の非定型な表現型を呈していたが、欠失の大きさは他の症例とほとんど同じであった。この観察結果から、ウィリアムズ症候群の表現型の変異は欠失の大きさとそこに含まれる遺伝子だけではなく、切断ポイント領域とエピジェネティック効果にも影響を受けていることを指摘したい。しかし、これらのパラメーターが表現型に与える影響を探索するには、さらなる研究が必要である。
(2018年9月)
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