ウィリアムズ症候群におけるオキシトシン受容体遺伝子の調節不全



Dysregulation of the oxytocin receptor gene in Williams syndrome.

木村 亮(1), 富和 清隆(2), 井上 亮(3), 鈴木 茂和(4), 中田 昌利(4), 粟屋 智就(4), 加藤 竹雄(5), 岡崎 伸(6), 平家 俊男(5), 萩原 正敏(7).
Author information:
(1)京都大学大学院 医学研究科医学専攻 生体構造医学講座形態形成機構学、Electronic address:kimura.ryo.2w@kyoto-u.ac.jp.
(2)京都大学大学院 医学研究科医学専攻 発生発達医学講座発達小児科学
大阪市立総合医療センター小児神経内科
東大寺福祉療育病院
(3)京都府立大学 生命環境科学研究科 応用生命科学専攻
(4)京都大学大学院 医学研究科医学専攻 生体構造医学講座形態形成機構学
(5)京都大学大学院 医学研究科医学専攻 発生発達医学講座発達小児科学
兵庫県立尼崎総合医療センター小児科
(6)大阪市立総合医療センター小児神経内科
(7)京都大学大学院 医学研究科医学専攻 生体構造医学講座形態形成機構学 Electronic address:hagiwara.masatoshi.8c@kyoto-u.ac.jp.
Psychoneuroendocrinology. 2020 Feb 20;115:104631. doi: 10.1016/j.psyneuen.2020.104631. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群は染色体7q11.23領域の微小欠失が原因で発症し、様々な身体的・認知的兆候が特徴である。特に、ウィリアムズ症候群は超社会的(極度になれなれしい)な行動を特徴としている。ウィリアムズ症候群は自閉症スペクトラム症とは対極をなす表現型によって注目を集めている。オキシトシン受容体遺伝子はオキシトシンの分泌を調節することで社会的表現型に影響を与えている。さらに加えて、オキシトシン受容体遺伝子におけるDNAのメチル化がヒトの社会的行動に影響を与えているという証拠が最近になって示された。しかし、ウィリアムズ症候群のオキシトシン受容体遺伝子の調節は明らかになっていない。本研究はウィリアムズ症候群のオキシトシン受容体遺伝子の調節を探求する。ウィリアムズ症候群患者と対照群の血液中の遺伝子の発現レベルを調べ、この二種類のコホート集団におけるメチル化レベルを分析した。その結果、対照群に比べてウィリアムズ症候群の患者はオキシトシン受容体遺伝子の発現レベルが減少するとともに、メチル化は亢進していた。この発見は、ウィリアムズ症候群の複雑な社会的表現型を仲介するオキシトシン受容体遺伝子に対する洞察を与えている可能性がある。

(2020年3月)



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