中国福建省の1520症例で実施したBACs-on-Beads試験を使用した出生前診断
Prenatal diagnosis of BACs-on-Beads assay in 1520 cases from Fujian Province, China.
Wang Y(1), Zhang M(1), Chen L(1), Huang H(1), Xu L(1).
Author information:
(1)Fujian Key Laboratory for Prenatal Diagnosis and Birth Defect, Fujian Maternity and Child Health Hospital, Affiliated Hospital of Fujian Medical University, Fuzhou, China.
Mol Genet Genomic Med. 2020 Aug 7:e1446. doi: 10.1002/mgg3.1446. Online ahead of print.
背景:本研究の目的は染色体異常を早期に発見するためにBACs-on-Beads(登録標)(BoBs:登録商標)を出生前診断に適用することの評価である。
手法:7例の絨毛膜絨毛検査サンプル、1328例の羊水検査サンプル、185例の臍帯サンプルの合計1520サンプルを妊婦から採取し、BoBs試験と核型分析を用いて染色体異常の検出を行った。さらに、異常な検体については、染色体マイクロアレイ解析とFISH法を用いて確認を行った。
結果:その結果、出生診断に対する核型分析とBoBs試験の成功率はそれぞれ98.09%と100%だった。BoBs試験は21番染色体トリソミー、18番染色体トリソミー、13番染色体トリソミー、性染色体異数性、ウォルフ・ヒルショルン症候群、モザイク現象では核型分析と一致していた。さらに、BoBs試験でスミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、ディジョージ症候群、ミラー・ディカー症候群、プラダー・ウィリー症候群、Xp22.31微小欠失症候群、22q11.2及び17p11.2微小欠失症候群の検出ができた。しかし、核型分析ではこれらの染色体異常は検出できなかった。核型分析で検出できた8q21.2q23.3重複症候群の症例に関しては、BoBs試験で検出できなかった。さらに、これらの染色体異常はマイクロアレイ解析とFISH法の結果と一致していた。これらの報告に従って、BoBs試験、核型分析、マイクロアレイ解析それぞれの検出確率を推定したところ、それぞれ4.28%、4.93%、5%であり、先行研究の結果と一致していた。これら3種類の検査費用はそれぞれ約$135-145、$270-290、$540-580だった。
結論:BoBs試験は出生前診断で適用するには信頼性があり迅速に利用できる検査法であると考えられる。さまざまな包括的技術を適用することは、出生前診断においてお互いを相互補完でき、診断率を向上させ、先天性異常の発生率を減少させることに寄与する。
訳者注
BAC:バクテリア人工染色体
(2020年8月)
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