NOX1抑制がエラスチン不全に対する血圧上昇を緩和する



Inhibition of NOX1 Mitigates Blood Pressure Increases in Elastin Insufficiency.

Troia A(1), Knutsen RH(1), Halabi CM(2), Malide D(1), Yu ZX(1), Wardlaw-Pickett A(1), Kronquist EK(1), Tsang KM(1), Kovacs A(3), Mecham RP(4), Kozel BA(1).
Author information:
(1)National Heart Lung and Blood Institute, National Institutes of Health, Bethesda, MD, USA.
(2)Department of Pediatrics, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO, USA.
(3)Department of Internal Medicine, Cardiovascular Division, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO, USA.
(4)Department of Cell Biology and Physiology, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO, USA.
Function (Oxf). 2021 Mar 15;2(3):zqab015. doi: 10.1093/function/zqab015. eCollection 2021.

エラスチン不全は、隣接遺伝子欠失疾患であるウィリアムズ症候群の高血圧や血管硬化を含む循環器系特徴を引き起こす。先行研究によれば、NCF1遺伝子までの範囲を含むように拡張されたウィリアムズ症候群欠失は、比較的に低い血圧や血管硬化度の低下を伴っている。NCF1はp47phox、すなわち血管壁内で活性酸素種(reactive oxygen species (ROS))を生成するNOX1 NADPHオキシダーゼ1複合体の調節コンポーネントをコードしている。マウスの大動脈をジヒドロエチジウムと8-ヒドロキシグアノシンで染色すると、エラスチン遺伝子のヘテロ接合体(Eln+/-)は野生種(Eln+/+)と比較して活性酸素種レベルが高いことが確認された。この発見は血行動態ストレッサ無しで培養された血管においては否定されている。エラスチン不全に対するNOXの効果を分析するために、我々は遺伝子的および化学的の両面から操作を行った。Ncf1ハプロ不全(Ncf1+/-)とNox1不全(Nox1-/y)の両方とも、循環器構造が変化していないEln+/-における酸化ストレスと収縮期血圧の両方を低下させた。p47phox阻害剤であるアポシニンによる慢性処置はEln+/-の収縮期血圧を低下させたが、Eln+/+対照群に対しては何の効果もなかった。フェニレフリンの生体内投薬によって、Eln+/+に比べてEln+/-の血圧反応を増大させ、Nox1の発現を減少させる遺伝子的修飾や薬物による介入によって、Eln+/-マウスのフェニレフリンに対する高収縮性反応をEln+/+レベルまで減少させることができる。これらの結果は、振動性流動につながるELN不全によって引き起こされる機械的あるいは構造的違いが酸化ストレス状態を永続化させ、このことが高血圧に関連し、循環器系の活性酸素種生産に向けたNox1媒介容量を低下させることによって、血圧の差異を平準化することができる。

(2021年7月)



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