ウィリアムズ症候群



Williams syndrome.

Kozel BA(1), Barak B(2), Kim CA(3), Mervis CB(4), Osborne LR(5), Porter M(6), Pober BR(7).
Author information:
(1)Translational Vascular Medicine Branch, National Heart Lung and Blood Institute, National Institutes of Health, Bethesda, MD, USA.
(2)The Sagol School of Neuroscience and The School of Psychological Sciences, Tel Aviv University, Tel Aviv, Israel.
(3)Department of Paediatrics, Universidade de S?o Paulo, S?o Paulo, Brazil.
(4)Department of Psychological and Brain Sciences, University of Louisville, Louisville, KY, USA.
(5)Department of Medicine, University of Toronto, Toronto, Ontario, Canada.
(6)Department of Psychology, Macquarie University, Sydney, Australia.
(7)Department of Paediatrics, Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA, USA. POBER.BARBARA@MGH.HARVARD.EDU.
Nat Rev Dis Primers. 2021 Jun 17;7(1):42. doi: 10.1038/s41572-021-00276-z.

ウィリアムズ症候群は比較的稀な微小欠失疾患であり、最大で7500人に1人の割合で発症する。ウィリアムズ症候群は減数分裂の際にDNAの低繰り返し配列要素の誤対合によって引き起こされる。欠失サイズはほとんどのウィリアムズ症候群患者を通して同等であり、染色体7q11.23領域に存在する25-27個の遺伝子の片方のコピーが失われることにつながる。その結果としてのこの独特な疾患は多臓器に影響を与え、主要な特徴として循環器疾患(特徴的には太い動脈の狭窄であり、大動脈弁上狭窄症が有名である)、特徴的な頭蓋顔面兆候、知的障害や超社会性などを含む特異的な認知行動プロフィールなどを含んでいるが他にも存在する。遺伝子型-表現型の関連としては、エラスチンをコードする遺伝子ELNがウィリアムズ症候群患者の循環器や結合組織の特徴形成に寄与していることや、転写因子遺伝子であるGTF2IやGTF2IRD1が知能や社会的機能や不安などに寄与していることが最も確実な証拠を提供している。数多くの証拠によってBAZ1B、LIMK1、STX1A、MLXIPLの欠失の結果として引き起こされている表現型が存在ことを示しているが、これらの欠失が臨床症状に対してどのように影響しているかというメカニズムを理解するにはさらなる研究が必要である。染色体マイクロアレイのような技術が進歩していて、臨床医が公式にウィリアムズ症候群の疑いを持たなくても診断ができ、医療や発達の専門家の早期介入が受けられるような国や地域では診断を受ける年齢が低下している。表現型の変異性はウィリアムズ症候群の主要な症状のすべてにみられるが、この変異をもたらす特定の原因は解らないままである。これらの差異を引き起こす要因を特定するためのさらなる研究を行うことで、対症療法ではなく発生機構に適した療法につながることから、研究の優先度を高めるべきである。

(2021年7月)



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