ヒトの新しい遺伝子 FKBP6 がウイリアムス症候群で欠失している



A novel human gene FKBP6 is deleted in williams syndrome.

Meng X, Lu X, Morris CA, Keating MT
Howard Hughes Medical Institute, University of Utah, Salt Lake City, Utah,84112, USA.
Genomics 1998 Sep 1;52(2):130-7
Copyright 1998 Academic Press.

ウイリアムス症候群は、7q11.23の位置の遺伝子の核型不全(haploinsufficiency)に起因 する発達障害である。これまでに我々はエラスチン遺伝子の半接合がウイリアムス症候群 の症状のひとつである大動脈弁上狭窄の要因であることを示した。また、我々は LIM- kinase 1の半接合がウイリアムス症候群における視空間認識障害に影響を及ぼす要因の一 つと考えている。今回は、ウイリアムス症候群で共通している欠失領域の中から新しい遺 伝子 FKBP6 を同定しその特性を示す。FKBP6 はイムノフィリン(生体内物質: immunophilins)の FK-506 結合タンパク質クラス(FK-506 binding protein (FKBP) class) と相同である。FKBP6 は N末端を持つと言われている FK-506結合とpeptidylproyl 異性 化酵素(isomerase [rotamase])ドメインを持ち、高分子量のFKBPと同様に不完全 C 末端 テトラトリコぺプチド(tetratricopeptide)反復ドメインを持つ。FKBP6 は精巣・ 心臓・骨格筋・肝臓・腎臓で発現している。FKBP6 は9つのエクソンを持ち、35Kb(ベ ース:塩基)のコスミドクローンに完全に含まれている。FISH(Fluorescence in situ hybridization)テストによれば、FKBP6遺伝子は検査したウイリアムス症候群の40人全 員で欠失していた。FKBP6の半接合は、ウイリアムス症候群の高カルシウム血症や成長の遅 れなど特定の症状の要因である可能性がある。


訳者注

(1998年11月)



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