ウィリアムズ症候群転写因子の下方制御が神経膠芽細胞腫の成長を抑制し、PI3K/AKT信号経路を阻害することで浸潤も抑止する



Downregulation of Williams syndrome transcription factor (WSTF) suppresses glioblastoma cell growth and invasion by inhibiting PI3K/AKT signal pathway.

Yang L(1), Du C(2), Chen H(3), Diao Z(4). Author information: (1)Department of Neurosurgery, The People's Hospital of Yaan, Sichuan. yangliyuan57@163.com.
(2)Department of Neurosurgery, The People's Hospital of Yaan, Sichuan. 1012036559@qq.com.
(3)Department of Neurosurgery, The People's Hospital of Yaan, Sichuan. 1936324177@qq.com.
(4)Department of Neurosurgery, The People's Hospital of Yaan, Sichuan. passagerdzw@126.com.
Eur J Histochem. 2021 Nov 17;65(4). doi: 10.4081/ejh.2021.3255.

ウィリアムズ症候群転写因子(WSTF)は様々な細胞プロセスに関与し、それにはがん細胞の増殖や転移も含まれている。しかし、神経膠芽細胞腫に対するウィリアムズ症候群転写因子の関与は知られていない。遺伝子発現プロファイリングインタラクティブ分析(GEPIA)やがんゲノムアトラス(TCGA)から得られるデータによれば、ウィリアムズ症候群転写因子は神経膠芽細胞腫の組織内では上方制御受けていることが示されている。さらに、ウィリアムズ症候群転写因子は神経膠芽細胞腫の細胞内で増えている。pcDNAの媒介によって過剰発現したウィリアムズ症候群転写因子が神経膠芽細胞腫の細胞の増殖と転移に貢献している。一方で、神経膠芽細胞腫の細胞の増殖と転移は、shRNAの媒介によるウィリアムズ症候群転写因子の発現停止によって抑制される。それに加えて、神経膠芽細胞腫の細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)はBaxやcleaved caspase-3の減少に伴うウィリアムズ症候群転写因子の過剰発現で減少する一方で、Baxやcleaved caspase-3の増加に伴うウィリアムズ症候群転写因子の発現停止によって促進される。AKTリン酸化によるタンパク質の発現は、ウィリアムズ症候群転写因子の過剰発現で促進され、ウィリアムズ症候群転写因子の発現停止によって減少する。ウィリアムズ症候群転写因子の過剰発現によって誘導されたイノシトールリン脂質3キナーゼの抑制物質は神経膠芽細胞腫の細胞の増殖と転移において増える。結論として、ウィリアムズ症候群転写因子は、PI3K/AKT信号経路の活性化を通じて神経膠芽細胞腫の細胞の増殖と転移に寄与している。

【訳者注】

cDNA: プラスミド: shRN: Bax: cleaved caspase-3: (2021年11月)



目次に戻る