エラスチン転写制御で新たに現れたメカニズム



Emerging Mechanisms of Elastin Transcriptional Regulation.

Procknow S(1), Kozel BA(2).
Author information:
(1)Pediatrics, grid.471404.2Washington University in St. Louis School of Medicine, St. Louis, MO, United States.
(2)NHLBI, grid.94365.3dNational Institutes of Health, Bethesda, MD, United States.
Am J Physiol Cell Physiol. 2022 Jul 11. doi: 10.1152/ajpcell.00228.2022. Online ahead of print.

エラスチンは肺、血管、皮膚などの伸展する臓器に反跳機能を提供している。これの蓄積は出生前のごく短期間に始まり、脊椎動物では青年期まで延長され、その後徐々に終息していく。エラスチン不全はウィリアムズ症候群やエラスチン依存性大動脈弁上狭窄症などの原因となり、幅広く血管や結合組織の症状に関連している。エラスチン遺伝子(ELN)の制御は様々なレベルで行われ、これにはプロモーターの活性化/抑制化、mRNAの安定性、マイクロRNAとの相互作用、選択的スプライシングなどが含まれる。しかし、これらのメカニズムは完全に理解されてはいない。エラスチン遺伝子の発現を制御するプロセスをよりよく理解することで、この希少疾患への医学的介入機能を向上させられる可能性があるとともに、エラスチン生成を再び開始することで加齢に伴う減少を置換することも可能かもしれない。本レビューでは、エラスチン遺伝子のプロモーター構造、サイトカインによる転写制御と転写要素、mRNAの安定性とマイクロRNAを通じた転写後の制御、再生メカニズムに影響を及ぼす可能性がある新たなアプローチに焦点を当てる。

(2022年7月)



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