非典型的な欠失を有するウィリアムズ症候群患者の神経心理学的な遺伝子型−表現型:系統的レビュー



Neuropsychological Genotype-Phenotype in Patients with Williams Syndrome with Atypical Deletions: A Systematic Review.

Serrano-Juarez CA(1), Prieto-Corona B(2), Rodriguez-Camacho M(1), Sandoval-Lira L(1), Villalva-Sanchez AF(1), Yanez-Tellez MG(1), Lopez MFR(3).
Author information:
(1)Neuroscience Group. Laboratorio de Neurometria, Facultad de Estudios Superiores Iztacala, Universidad Nacional Autonoma de Mexico, Av. De los Barrios #1, Col. Los Reyes Iztacala, Tlalnepantla, Estado de Mexico, CP 54090, Mexico.
(2)Neuroscience Group. Laboratorio de Neurometria, Facultad de Estudios Superiores Iztacala, Universidad Nacional Autonoma de Mexico, Av. De los Barrios #1, Col. Los Reyes Iztacala, Tlalnepantla, Estado de Mexico, CP 54090, Mexico. bemapado@gmail.com.
(3)Universidad Autonoma del Estado de Mexico, Tlalnepantla, Estado de Mexico, Mexico.
Neuropsychol Rev. 2022 Dec 15. doi: 10.1007/s11065-022-09571-2. Online ahead of print.

ウィリアムズ症候群は神経発達疾患であり、第7染色体上のq11.23領域の微小欠失を原因とする。最近行われた一連の症例報告や臨床症例研究によれば、ウィリアムズ症候群の認知・行動・感情・社会的なプロフィールは欠失に含まれている遺伝子に依存している可能性が示唆されている。この系統的レビューの目的は、非典型的な欠失を有するウィリアムズ症候群の認知・行動プロフィールの変動を分析して仮説を立て、影響を受ける遺伝子との関連の可能性を探ることである。医学的検索ワードは、「ウィリアムズ症候群」、「遺伝子型」、「表現型」、「認知プロフィール」、「非典型的欠失」である。英語およびスペイン語で書かれ、子どもと成人を対象とし、2000年1月から2022年10月の間に発表された研究を対象とした。23件の研究を対象とした。被験者の特徴、含まれている遺伝子、神経心理学的領域と研究ツール、ウィリアムズ症候群の認知プロフィールの判断基準を用いて遺伝子型−表現型分析を行った。ウィリアムズ症候群患者の認知プロフィールに最も主要な影響を与えている遺伝子は、(a)LIMK1とGTF2Iファミリーに属する遺伝子群であり、前者は視空間能力に対する影響が大きい。(b)GTF2IRD1とGTF2Iは、視空間能力や社会的技能に加えて、知的能力に影響がある。(c)FZD9とBAZ1BとSTX1AとCLIP2は他の遺伝子が影響を受けている状態下で、認知プロフィールに影響を与えている。(d)GTF2IRD2は視空間能力や社会的技能に対する影響の重大度に関連していて、自閉スペクトラムと同様の行動表現型を表出する。本レビューによって、4種類の神経心理学的な表現型を明らかにした。これは、含まれている遺伝子に依存し、これらの患者の神経心理学的なプロフィールに対する包括的な研究が必要であることを明らかにした。研究結果に従い、ウィリアムズ症候群の神経心理学的な表現型に対する臨床的アプローチの研究モデルを提案する。

(2022年12月)



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