GTF21とGTF2IRD1のコピー数に関連する7q11.23領域の希少で異形なコピー数多型を有する患者のDNAメチル化プロフィール



DNA methylation profiles in individuals with rare, atypical 7q11.23 CNVs correlate with GTF2I and GTF2IRD1 copy number.

Strong E(1)(2), Mervis CB(3), Tam E(4), Morris CA(5), Klein-Tasman BP(6), Velleman SL(7), Osborne LR(8).
Author information:
(1)Department of Molecular Genetics, University of Toronto, Toronto, ON, Canada.
(2)Division of Genome Diagnostics, Department of Pathology and Laboratory Medicine, BC Children's and Women's Hospital, Vancouver, BC, Canada.
(3)Department of Psychological and Brain Sciences, University of Louisville, Louisville, KY, USA.
(4)Department of Medicine, University of Toronto, Toronto, ON, Canada.
(5)Department of Pediatrics, Kirk Kerkorian School of Medicine at University of Nevada Las Vegas, Las Vegas, NV, USA.
(6)Department of Psychology, University of Wisconsin-Milwaukee, Milwaukee, WI, USA.
(7)Department of Communication Sciences and Disorders, University of Vermont, Burlington, VT, USA.
(8)Departments of Medicine and Molecular Genetics, University of Toronto, Toronto, ON, Canada. lucy.osborne@utoronto.ca.
NPJ Genom Med. 2023 Sep 14;8(1):25. doi: 10.1038/s41525-023-00368-7.

ウィリアムズ症候群と7q11.23重複症候群(Dup7)は、希少神経発達疾患であり1.5Mbの大きさの領域の欠失を原因とし、その領域には少なくとも5個のエピジェネテイック制御を行う遺伝子が含まれている。我々は、この染色体領域のコピー数多型(CNV)が、DNAメチル化において容量依存でありゲノム全体に変異を与えることをすでに示したが、この変化を駆動する特定の遺伝子は判明していない。我々は、イルミナ社のHuman Methylation450k アレイを用いて、7q11.23領域に異形なコピー数多型を有する6人の被験者(3人は欠失、3人は重複)の血液を用いてゲノム全域に渡るDNAメチル化状況を測定し、そのプロフィールを典型的なウィリアムズ症候群及び典型的な7q11.23重複症候群の患者グループ、および定型発達をしている対照群と比較した。最も変化が多い1000個の位置において、それぞれ対応する症候群コホートのクラスターと比べて、GTF2IRD1及びGTF2I(それぞれTFII-IRD1とTFII-Iタンパク質をコードする)のコピー数だけが異なっていることを発見した。この知見はパイロシーケンス検証に加えて、異なる形でメチル化されたCpGを選択する階層的クラスター化の結果からも支持される。これらの知見は7q11.23区間のテロメア側末端に存在するGTF2I遺伝子のコピー数多型は、定型発達対照群に比べて我々が検査したウィリアムズ症候群や7q11.23重複症候群の患者の血液DNAのDNAメチル化の大規模な変異に対して主要な寄与を行っていることを示唆している。我々が得た知見はTFII-Iタンパク質ファミリーのメンバーがゲノム全員域レベルのDNAメチル化を変化させるエピジェネテイックプロセスに含まれていることを示唆している。

(2023年10月)