7q11.23微小欠失の出生前診断:症例報告2例と文献レビュー
Prenatal diagnosis of 7q11.23 microdeletion: Two cases report and literature review.
Lv X(1), Yang X, Li L, Yue F, Zhang H, Wang R.
Author information:
(1)Prenatal Diagnosis Center and Reproductive Medicine Center, The First Hospital of Jilin University, Changchun, China.
Medicine (Baltimore). 2023 Oct 27;102(43):e34852. doi: 10.1097/MD.0000000000034852.
根拠:染色体7q11.23領域の微小欠失は、希少常染色体優性遺伝疾患であるウィリアムズ症候群の原因となる。ウィリアムズ症候群は通常、神経発達症、循環器疾患、精神発達遅滞、特徴的な顔貌を伴う。
患者の関心:2人の妊婦は超音波所見で異常が見つかったために、細胞遺伝学的分析や染色体マイクロアレイ分析(CMA)を行うために羊水穿刺を受けた。臨床超音波検査の結果、症例1は上衣下嚢腫、症例2は子宮内発育不全、左上大静脈遺残、心膜液貯留が見られた。
診断:細胞遺伝学的分析の結果、胎児2人は正常な核型を示した。染色体マイクロアレイ分析の結果からは、7q11.23領域にそれぞれ1.536Mb(症例1)、1.409Mb(症例2)の微小欠失が判明した。
治療:両夫婦とも遺伝カウンセリングを受けた結果、妊娠中絶を選択した。
結果:両胎児の欠失領域はウィリアムズ症候群と重なっていた。我々の知る限り、症例1は上衣下嚢腫を伴ったウィリアムズ症候群の初めての報告である。
教訓:ウィリアムズ症候群の遺伝子型-表現型は、表現型に多様性があるため複雑である。胎児の症例で臨床医が遺伝カウンセリングを行う場合、超音波診断、通常の細胞遺伝学的診断、分子学的診断の技術を組み合わせて検討すべきである。
(2023年11月)
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