ウィリアムズ症候群の非定型的欠失と関連する社会性、神経発達、内分泌、頭囲の差異



Social, neurodevelopmental, endocrine, and head size differences associated with atypical deletions in Williams-Beuren syndrome.

Lugo M(1)(2), Wong ZC(2), Billington CJ Jr(3), Parrish PCR(2)(4), Muldoon G(5), Liu D(2), Pober BR(6), Kozel BA(2)(7).
Author information:
(1)Department of Pediatrics, Medical University of South Carolina, Charleston, South Carolina.
(2)Translational Vascular Medicine Branch, National Heart, Lung, and Blood Institute, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland.
(3)Medical Genetics and Genomic Medicine Training Program, National Human Genetics Research Institute, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland.
(4)Department of Genome Sciences, University of Washington, Seattle, Washington.
(5)Neurodevelopmental and Behavioral Phenotyping Service, National Institute of Mental Health, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland.
(6)Department of Pediatrics, Massachusetts General Hospital, Boston, Massachusetts.
(7)Department of Pediatrics, Washington University School of Medicine, St. Louis, Missouri.
Am J Med Genet A. 2020 May;182(5):1008-1020. doi: 10.1002/ajmg.a.61522. Epub 2020 Feb 20.

ウィリアムズ症候群は26−28個の遺伝子を包含する7q11.23領域の半接合欠失を原因とする多システム障害である。2−5%の患者が非定型的な欠失を有すると推定されており、ウィリアムズ症候群責任領域のセントロメア側とテロメア側の両方またはいずれか一方に拡張している。これらの欠失タイプ毎の臨床的相違を明らかにするために、我々のコホート集団の中から非定型欠失を有する患者17人と、過去の文献に記載された同様の欠失を有する17人の患者を調査した。どちらの方向でもより大きな欠失を有する患者は発達遅滞がより重い傾向がある一方で、欠失にMAGI2遺伝子を含む患者は点頭てんかんやてんかん発作と関連していた。さらに、AUTS2遺伝子を含むセントロメア側欠失を有する患者の頭囲は著しく小さい。非定型的欠失を有する子どもは社会的参画に乏しいと記述されていることから、非定型的欠失が社会的表現型とどのように関連しているかも調べることにした。 対人応答性尺度第二版(Social Responsiveness Scale-2)を用いて、評価者が非定型的欠失を有する患者が定型的ウィリアムズ症候群責任領域欠失を有する患者の社会的特徴とは異なる特徴を有していることを記録し、その結果として非定型的欠失のグループは社会的動機付けにおいてより高い(すなわち障害が重度である)スコア(p=.005)を有していた。これらの差異に気が付くことによって、内科医たちは、すでに臨床的にあるいはFISHベースの診断を受けた患者がさらなる分子的な評価やスクリーニングや治療を受けることでより多くの恩恵がもたらされることをより確実に特定できる。臨床的知見に加えて、テロメア側欠失にTOR遺伝子を含む数人の患者に、ウィリアムズ症候群では典型的にみられるものとは異なる軽度の内分泌所見を記録した。この観察事実を確定させるためにはテロメア側欠失症例をさらに研究する必要がある。

(2024年3月)



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