ACFは2つのサブユニットAcf1とISWIから構成されている。 両サブユニットは共同でクロマチン(染色質)結合のATP依存触媒と して機能する。



ACF consists of two subunits, Acf1 and ISWI, that function cooperatively in the ATP-dependent catalysis of chromatin assembly.

Ito T, Levenstein ME, Fyodorov DV, Kutach AK, Kobayashi R, Kadonaga JT
Department of Biology and Center for Molecular Genetics,
University of California, San Diego, La Jolla, California 92093-0347 USA.
Genes Dev 1999 Jun 15;13(12):1529-1539

核ヒストン(訳注:強塩基性タンパク質の一種)とDNAの複合体が再帰的なヌクレオゾーム (nucleosome)くりかえし構造になる過程で、ISWIを含む要素としてのACFと、核ヒストン に付随するNAP-1がATP存在下で介在している。我々はショウジョウバエのAcf1の相補的 DNA(cDNA)を単離し、ACFに含まれるAcf1タンパク質のp170型とp185型をコードしている ことを述べる。Acf1は新しいタンパク質で2種類のPHD枝(PHD fingers)を持っている。 一個のブロモドメイン(bromodomain)と、2個の新しい維持領域(conserved regions)で ある。人間のWSTFは、ウィリアムズ症候群の人で欠失している遺伝子の中の一つによって コードされており、Acf1が持つ両構造を合わせ持つ現在知られいる唯一の哺乳類タンパク 質である。Acf1の固有型を精製するとAcf1(p170型とp185型の両方)とISWIから成るACFの 単離につながる。Acf1固有型は、ショウジョウバエのISWIを含む別の複合体であるNURFや CHRACの要素とは同時には精製されない。Acf1(p185単独、またはp170とp185両方)とISWI を含む精製された再合成ACFは、拡張されたヌクレオゾームくりかえし構造にヒストンを 結合させる反応の触媒となる。特に、Acf1とISWIサブユニットはクロマチン結合に相乗 的に機能する。ISWI単独ではACFの3%以下という弱い活性しかない。この結果からは、 Acf1とISWIの両方がクロマチン結合プロセスに寄与していること、そしてAcf1サブユ ニットがISWIの普通の駆動活動(the general 'motor' activity)に付加的機能を与えて いる事を示唆している。

(1999年7月)

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