ウィリアムズ症候群領域の欠失を持つ5家系の遺伝子型/表現型分析
Genotype/Phenotype Analysis of 5 families with small deletion in the WS region
Colleen A. Morris, M.D.(1, Carolyn B. Mervis, Ph.D.(2, Mark T. Keating, M.D.(3, Xun
Meng, Ph.D.(3, A. Dean Stock, Ph.D.(4, Pat Spallone(4, Bonita P. Klein-Tasman, Ph.D.(2
and Byron F. Robinson, Ph.D.(5
1) University of Nevada School of Medicine, Las Vegas, NV; 2) University of Louisville,
Louisville, KY; 3) University of Utah, Salt Lake City, UT; 4) University of Nevada
School of Medicine, Reno. NV; 5) and Georgia State University, Atlanta, GA
"Program and Abstracts" of 8th International Professional Conference On Williams Syndrome, Page 10
大動脈弁上狭窄症はエラスチン遺伝子の突然変異を原因とする常染色体優勢遺伝のエ
ラスチン動脈疾患である。ウィリアムズ症候群はエラスチン遺伝子(ELN)を含む領域の微小
欠失による散発性疾患である。ウィリアムズ症候群の欠失の典型的な大きさはおおよそ
1.5Mbである。SVAS家系に関する一連の研究で、14人中5人の血族にウィリアムズ症候群
領域の欠失が認められた。欠失範囲は83Kbからおよそ800Kbであった。
一番小さな欠失にはELNとLIM-K1という2つの遺伝子だけが含まれていた。他の4血
族はELN,LIM-K1,RFC2が共通して欠失している。5家系の44人中の合計21人に欠失がみら
れる。形態異常・心エコーを含む循環器検査・詳細な心理テスト・7番染色体のウィリアム
ズ症候群領域の遺伝子分析と細胞生成分析を行った。これらの血族で欠失が認められた人
たちは、大動脈弁上狭窄とウィリアムズ症候群の認知プロファイルといくつかのウィリア
ムズ症候群の顔貌特徴(ウィリアムズ症候群の典型的な顔貌形態を備えている人はいない)
を持っていた。精神遅滞や高カルシウム血症を持つ人はいない。欠失が認められなかった
い人たちはウィリアムズ症候群の表現型は現れていない。
血族毎に表現型と遺伝子型の詳細なデータを入手し、これまでに発表されているウィ
リアムズ症候群領域の欠失が小さいグループに関する論文との比較を行う予定である。
(2001年8月)
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