ウィリアムズ症候群家系における150万塩基対の逆位多型



A 1.5 million-base pair inversion polymorphism in families with Williams-Beuren syndrome.

Osborne LR, Li M, Pober B, Chitayat D, Bodurtha J, Mandel A, Costa T, Grebe T, Cox S, Tsui LC, Scherer SW.
Department of Medicine, The University of Toronto, 1 King's College Circle, Toronto, Ontario, Canada.
Nat Genet 2001 Nov;29(3):321-5

ウィリアムズ症候群は7q11.23において少なくとも17個の遺伝子を含む150万塩基対領域 の半接合欠失を原因とすることがもっとも多い。他の多くの半接合欠失病 (haploinsufficiency diseases)と同様に、ウィリアムズ症候群に見られる欠失の基本原 因となるメカニズムは、おそらく共通する欠失領域に隣接する高度に相同なDNAによって 媒介された減数分裂時の不等組み換えだと考えられている。本論文では、ウィリアムズ症 候群家系におけるウィリアムズ症候群領域の逆位を含む遺伝子多型を特定するために、静 止期FISH法とパルスゲル電気泳動法(pulsed-field gel electrophoresis (PFGE))を用 いたことを報告する。我々は、ウィリアムズ症候群の表現型の一部は有しているが、ウィ リアムズ症候群に見られる典型的な微少欠失が見られない非典型的な患者11人のうち3人 (27%)で逆位の半接合を観察した。このうちの2人は両親の片方が逆位を有していた。さ らに、ウィリアムズ症候群欠失の発端者である12人のうち4人(33%)では、病気を引き 起こした方の染色体を受け渡した親のほうだけに逆位が見られた。これらの結果から、つ い最近同定された普通の人が持つ遺伝子の変異がこの病気に関連している可能性がある。 これがウィリアムズ症候群を引き起こす微少欠失の素因である可能があるとともに、転位 や逆位の原因かもしれない。

(2001年11月)



目次に戻る