ウィリアムズ症候群に関連するヒト染色体7q11.23領域と相同なマウスの遺伝子配列約3.3Mbの解明と分析



Generation and comparative analysis of ~3.3 mb of mouse genomic sequence orthologous to the region of human chromosome 7q11.23 implicated in williams syndrome.

DeSilva U, Elnitski L, Idol JR, Doyle JL, Gan W, Thomas JW, Schwartz S, Dietrich NL, Beckstrom-Sternberg SM, McDowell JC, Blakesley RW, Bouffard GG, Thomas PJ, Touchman JW, Miller W, Green ED.
Genome Technology Branch, National Human Genome Research Institute, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland 20892, USA.
Genome Res 2002 Jan;12(1):3-15

ウィリアムズ症候群はヒト染色体7q11.23にある約1.6Mb部分の半接合欠失を原因とする 複合発達障害である。この欠失にはほとんど同一で大きな複製DNAブロック(約300kb)が 介在している。我々はこれまでにマウスゲノムにある相同部分にはこのような複製領域が 存在しないことを明らかにした。今回はマウスにあるウィリアムズ症候群領域のゲノム配 列約3.3Mbの解明にまで対象を広げ、そのうち1.4Mb分の高精度分析を終了した。ウィリ アムズ症候群において共通的に欠失している領域に直接隣接しているヒトの配列とマウス の配列を比較分析した結果、まだ報告されていない遺伝子9個が同定でき、この部位に存 在する遺伝子30個の詳細な配列情報を明らかにし、遺伝情報を保有しないが興味ある配列 が数多く見つかった。最後に比較配列分析を容易にするため、解明されたpercent-identity plotに含まれている特徴を、公開されたデータベースの該当部分に追加登録するなど、い くつかの新たな試みを行った。結果として、本論文で報告された結果は比較配列リソース を提供し、共通欠失領域に存在する遺伝子の役割を明らかにし、この病気にマウスモデル を開発するなど、ウィリアムズ症候群に関する新たな研究を促進することにつながる。「本 論文に記述されている配列データは下記のアクセス番号でGenBankに登録されている。 [AF267747, AF289666, AF289667, AF289664, AF289665, AC091250, AC079938, AC084109, AC024607, AC074359, AC024608, AC083858, AC083948, AC084162, AC087420, AC083890, AC080158, AC084402, AC083889, AC083857, AC079872.]

(2002年1月)



目次に戻る