ヒトのウィリアムズ症候群責任領域7q11.23に相当するマウスの5番染色体の領域に存在するgtf2ird1、gtf2及びincf1遺伝子の組成



Genomic organization of the genes gtf2ird1, gtf2i, and ncf1 at the mouse chromosome 5 region syntenic to the human chromosome 7q11.23 williams syndrome critical region.

Bayarsaihan D, Dunai J, Greally JM, Kawasaki K, Sumiyama K, Enkhmandakh B, Shimizu N, Ruddle FH.
Department of Molecular, Cellular and Developmental Biology, Yale University, New Haven, Connecticut, 06520, USA
Genomics 2002 Jan;79(1):137-43

GTF2Iと関連があるヒトGTF2IRD1のマウス相同分子種の単離に成功した。GTF2IRD1タンパ ク質及びGTF2Iタンパク質は複数のヘリックス−ループ−へリックス構造と、ロイシンジ ッパーモティーフ(leucine zipper motif)を保有していることを特徴としている。両重複 遺伝子(paralog)には強い連鎖が見られ、独特の神経認知特徴及び行動パターンを示す優 性遺伝病であるウィリアムズ症候群の半接合欠失に両方とも含まれている。我々は GTF2IRD1とGTF2I、及びそれらに隣接するNcf1遺伝子を含むマウスの相当部分である5番 染色体から導出したバクテリア人工染色体クローンの配列を分析した。Gtf2ird1は31個の エクソンで構成され、大きさは100kb以上で5番染色体上のCyln2とGtf2iの間に存在す る。Gtf2iは34個のエクソンで構成されおよそ77kbの大きさがある。Gtf2iの下流に存在 するNcf1は11個のエクソンで構成され8kb以上の大きさがある。マウスではイントロン 領域がコンパクトであることを除けば、Gtf2ird1とGtf2iとNcf1の組成はヒトとマウスで よく一致している。Gtf2ird1とGtf2iにあるヘリックス−ループ−へリックスの繰り返し は隣接するエクソン毎に別々にコードされていて、それぞれ独立した遺伝子組替えによっ て生じた。これらの研究成果は転写因子の欠陥に関する知見と、染色体の片側機能不全 (haploinsufficiency)の病因探索に貢献する。

(2002年2月)



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