アフリカツメガエルの卵抽出物質に含まれるISWI再構築複合体:INCENP-aurora Bによる調節を受ける主要な染色体構成要素として同定された
ISWI Remodeling Complexes in Xenopus Egg Extracts: Identification as Major Chromosomal Components that Are Regulated by INCENP-aurora B.
MacCallum DE, Losada A, Kobayashi R, Hirano T.
Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York 11724.
Mol Biol Cell 2002 Jan;13(1):25-39
我々はこれまでにアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵抽出物質に含まれをる有糸
分裂期お染色体を構成する主要な要素を特徴づけ、それらをアフリカツメガエル染色体連
合ポリペプチド(Xenopus chromosome-associated polypeptides (XCAPs))と呼んでいる。
これには染色体凝集に重要な役割をはたす凝集複合体のサブユニットが5種類含まれてい
る。このプロセスに含まれる新しいタンパク質を同定する努力を行った結果、クロマチン
再構成ATPアーゼの一種ISWIのアフリカツメガエルにおける相同分子種であるXCAP-Fの
単離に成功した。ISWIはアフリカツメガエルの卵抽出物質に含まれる2種類の主要な複合
体内に存在している。最初の複合体はACF1と、低分子量のサブユニットを2つ保有してい
て、フリカツメガエルのCHRACに非常によく似ている。2番目の複合体は、ヒトのウィリア
ムズ症候群転写因子(the human Williams syndrome transcription factor (WSTF))のア
フリカツメガエルにおける相同分子種を含む新しい複合体である。ISWI複合体が存在しな
い状態においては、DNAへのヒストンの沈着は明らかに正常であるが、ヌクレオソームの間
隔はばらつきが大きい。ヌクレオソームの間隔が不均等なため、ISWIの欠乏は、無細胞抽
出物内のDNAの複製・染色体の凝集・娘染色分体の粘着にはにほとんど効果がない。ISWI
とクロマチンの連合は細胞周期で調整されており、有糸分裂期においてヒストンH3をリン
酸化しているINCENP-aurora B キナーゼ複合体の制御下にある。一般的に受け入れられて
いるモデルとは明らかに逆であるが、染色体凝集も染色体の凝集目標(chromosomal
targeting of condensin)も、INCENP-aurora B 欠乏によって H3 リン酸化合物が減少し
ている場合には発生しない。
(2002年2月)
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