欠失を持たないウィリアムズ症候群患者におけるSTX1Aのゲノム構造の詳細化と突然変異分析



Refinement of the genomic structure of STX1A and mutation analysis in nondeletion Williams syndrome patients.

Wu YQ, Bejjani BA, Tsui LC, Mandel A, Osborne LR, Shaffer LG.
Department of Molecular and Human Genetics, Baylor College of Medicine, Houston, Texas.
Am J Med Genet 2002 Apr 22;109(2):121-124

ウィリアムズ症候群は共通欠失領域に17個以上の遺伝子がある隣接遺伝子欠失障害である。欠失した遺伝子のひとつである Syntaxin 1A(STX1A)は神経系で高度に発現し、シナプス小胞が前シナプスプラズマ膜(presynaptic plasma membrane)と結合する際に必須となるタンパク質をコードしている。本研究では、ダイレクトシーケンシングとバクテリア人工染色体クローン(BAC)を用いたプライマーウォーキングの手法を用いてヒトSTX1A遺伝子の完全なゲノム構造を詳細に確定した。その結果STX1Aは10個のエクソンと9個のイントロンを含んでいる。エクソンの長さは27塩基対(bp)から138塩基対の範囲で、スプライス部位はGT-AGルールに従っている。欠失が検出されなかった5人のウィリアムズ症候群の患者でSTX1A遺伝子配列を検査した結果点突然変異は見られなかった。STX1Aの発現を調節する調節要素の検査は行わなかったが、これらの調査結果はウィリアムズ症候群の表現型に対するSTX1Aの役割をサポートしていない。

(2002年5月)



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