7番染色体7q11.23上にあるGTF2IRD1とGTF2に連鎖する空間視処理能力におけるウィリアムズ症候群の障害
Williams syndrome deficits in visual spatial processing linked to GTF2IRD1 and GTF2I on Chromosome 7q11.23.
広田 浜夫, 松岡 瑠美子, Chen XN, Salandanan LS, Lincoln A, Rose FE, 砂原 真理子,大澤 真木子, Bellugi U, Korenberg JR.
1 東京女子医科大学 循環器小児科
2 Division of Neurogenetics, Departments of Pediatrics and Human Genetics,Cedars-Sinai Medical Center and University of California, Los Angeles;
3 Department of Psychology, Alliant International University, San Diego;
4 The Salk Institute for Biological Sciences, La Jolla, California; and the
5 東京女子医科大学 小児科
Genet Med. 2003 Jul-Aug;5(4):311-321.
目的:
ウィリアムズ症候群における個々の遺伝子と表現型の関連を同定する。
方法:
共通欠失領域をカバーする24種のBACとコスミドのパネルを使ったFISH検査、およびサザンブロット法による単独遺伝子の分析を使って調べた欠失状態にしたがって被験者を選択した。被験者の同齢集団には、3名の異型欠失の患者が含まれていた。身体的検査及び認知能力テストを行い、異型欠失3名の結果を典型的欠失を持つウィリアムズ症候群患者集団の検査結果と比較した。
結果:
分子分析結果によれば、3名の患者の欠失は標準より小さい。3名の共通点として、ウィリアムズ症候群特有の顔貌特徴が見られず、空間視能力は標準的な欠失を持つ患者より上位にある。特に、空間視処理の質的側面で健著である。
結論:
分子分析結果と認知能力検査の結果を合わせて考えると、GTF2IRD1遺伝子およびGTF2遺伝子が空間視能力の障害に影響を与えていると考えられる。
(2003年7月)
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