t(1;7)(q43;q31)のbalanced translocation及び7q11.23の部分欠損を伴ったWilliams syndromeの1症例



  広田浜夫(北里大学 医学部 小児科), Hirai Momoki, Kamimura Junko, Nakamura Makoto, 木村美佐, 今村伸一郎, Takao Atsuyoshi, 門間和夫, 平石聰,松岡瑠美子
北里医学(0385-5449)32巻2号 Page135-138(2002.04).

日本人の1歳女児.典型的なWilliams syndrome(WS)顔貌を呈し,弁上部大動脈狭窄,肺動脈弁狭窄,肺動脈分枝狭窄を認めた.WSCRプローブ(WS染色体部分)を用いた fluorescence in situ hybridization(FISH)により7q11.23領域の半遺伝子接合性及びbalanced translocationを確認した.balanced translocationのブレイクポイント[t(1;7)(q43;q31)]はbanding analysisとWCPl spectrumGreenやWCP7 SpectrumOrangeを用いたFISHにて確認した.父親にも同じbalanced translocationが確認されたが,7q11.23の部分欠損は認めなかった.本例で認められた染色体転位がWS発症の原因となっている可能性が示唆された。

(2004年1月)



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