染色体構造調節因子複合体病としてのWilliams症候群



加藤茂明、藤木亮次、吉村公宏、北川浩史
実験医学 2005年2月号(23巻3号)365-370ページ

ビタミンDはカルシウム代謝調節主要因子であるが,その生理作用発現は核内ビタミンD受容体(VDR)を介した遺伝子発現調節により,発揮される。そのため,VDR欠損マウスではヒト家族性くる病U型同様に,成長障害を伴う骨形成不全と脱毛が観察される。われわれは,VDR機能を担う核内複合体群を同定する過程で,Williams症候群の責任遺伝子と考えられてきたWSTFを含む複合体を見出した。この複合体は,染色体構造調節因子複合体であったことから,この優性遺伝病は染色体構造調節因子複合体病のはじめて見出された例と思われる。

(2005年3月)



目次に戻る